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2012/05/06 [競走部]

ディーンが海外選手を抑えて堂々の優勝!九鬼も奮闘
セイコーゴールデングランプリ川崎レポート 


 5月6日、等々力陸上競技場にてセイコーゴールデングランプリ川崎が開催された。
IAAF(国際陸上競技連盟)が主催するワールドチャレンジ・ミーティングス第3戦の今大会には、国内外から世界ランキング上位の選手が一同に集結し、その顔触れは豪華そのもの。特に海外からは100mのキム・コリンズ(セントクリストファー・ネイビス)やアリソン・フェリックス(アメリカ)、110mHの劉翔(中国)など、五輪や世界陸上で実績のある選手が出場するとあって、多くの陸上ファンが詰めかけた。
このハイレベルな戦いに早稲田から挑んだのは、やり投げ・ディーン元気(スポ3)と100m・九鬼巧(スポ2)。両者とも今大会には2年連続の出場となった。(※九鬼は前回大会では、リレー種目に日本ジュニアで出場。また、今大会には彼らの他に、日本ジュニアとして、4×400mRに 佐藤拓也と木村賢太(共にスポ1)が出場した。)


 

試技中、試技後は常に取材陣がディーンの周りに殺到。「日本だけでなく世界でも陸上をしている人なら知っているような選手になりたい」というかねてからの夢に向け、着実に進歩している。

 やり投げには自己ベスト80m超の選手が多数出場。しかし、彼らに劣ることなく、ちょうど1週間前に日本人歴代2位の記録である84.28mを出したディーンの顔は自信に溢れているように見えた。
1投目。60〜70m台の投擲を行う選手が続く中、ディーンが登場。ギャラリーの熱い視線を浴びながら放ったやりが80mラインを悠々と超える。記録は81.43m。投擲直後にガッツポーズをし、満足げな表情を見せた。
その後、ディーン以外に80m以上の記録を出す選手が現れないまま迎えた最終6投目。村上幸史(スズキ浜松AC)が80.26mを出したものの、ディーンの記録を超えることは出来ず、これにてディーンの優勝が決定した。
ロンドン五輪代表を現実のものとするために、「A標準(82.00m)相当の記録を出すことで再現性を高めたい」と言っていたディーン。この日、2投目以降はフォームが思うようにいかなかったのか、首をかしげる仕草も時々見られたが、それでも記録は80mに限りなく近いものがほとんど。この記録こそディーンの格段の成長を物語っていると言ってもいいだろう。 今週末からは関東インカレ、そして来月には日本選手権を控えるが、再びA標準を超えるような記録を披露することができるかに期待がかかる。


 

4月から数えてこれが4戦目となった九鬼。直近では関東インカレと日本選手権に焦点を置く予定だ。

 100mに登場した九鬼は、先週末に開催された織田記念陸上で叩きだした好記録(10.25秒)によって今大会の出場が急きょ決まった。今大会の位置づけを「経験を積むため」とし、特別な調整をせずに臨んだというレースだったが、スタート直前に降り出した突然の雨に加え、強風でスターティングブロック後ろに設置されていた看板までもが倒れるアクシデントが起こるなど、グラウンドコンデションは最悪だった。
そんな中行われたレースで九鬼は10.37秒(追い風参考記録、8位)の記録を出すも、自身が重視していた中間疾走については、「今日はちょっと上手く行かなかった部分もあった」とまだまだ納得がいかない様子。関カレではこの反省を生かし、「昨年立つことのできなかった表彰台に今年こそは立ちたいです」と意気込みを見せた。
今シーズンの目標を聞いてみると、「今年1年は来年へのきっかけになる年にしたい」と答えた九鬼。2年生になり、「礒監督(=礒繁雄、昭和58年教卒)との言葉のキャッチボールも更にできるようになった」と言う。飛躍に向けて成長を続ける九鬼にも注目だ。

  一時は競技中断になるほど気まぐれな天気に振り回された今大会だったが、その中で堂々の優勝を飾ったディーンと新たに経験を積んだ九鬼。彼らは今後も早稲田の中核を担い続けるだろう。チームの士気を高める起爆剤として、両者の更なる進化に目が離せない。

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT=矢野真由実、PHOTO=鈴木崇広)
 


 
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